【読書メモ】UX(ユーザー・エクスペリエンス)虎の巻-ユーザー満足度を向上する設計開発テクニック

会社の課題でUXに関する本を読む目標を立てていたので、入門書的な標題の本を読みました。

概要・ポイント

  • 第1章 UX概論
  • 第2章 UXの前提
  • 第3章 UX向上メソッドの紹介
  • 第4章 UX向上の実践
  • 第5章 UX向上の具体例
  • 第6章 UX向上のためのUI設計
  • 第7章 UXの神髄

3章までが概要や歴史、4・5章が手法やケーススタディ、その他がまとめ的な構成です。

虎の巻と書いているだけあって
概要面ではUXの歴史のような背景から、今の時代になぜ求められているか、
手法面ではペルソナやカスタマージャーニーマップなどの基礎手法も含められており初学者にもやさしい内容と思いました。
気になった点を何点かメモしておきます。

UXの学説

何個か有名なのがある。

  • 「誰のためのデザイン?」(affordance)/ D.A.Norman
  • UXのハニカム構造 / Peter Morville
  • ユーザーエクスペリエンスの要素 / Jesse James Garrett

参考:

UXの追い風となる時代の流れ

(a).「人月ビジネス」から「パッケージビジネス」へ
(b).「属人型」から「自己完結型」へ
(c).「大企業向け」から「中小企業向け」へ
(d).「売り逃げ」から「体験版」へ
(e).「売切型」から「継続課金型」へ
(f).「モノ」から「コト」へ

ざっくりですが以上のような時代変化(傾向)によってよりUXが求められる時代になっている。

UX向上プロセス

UX品質の評価及び改善を体系的に行っていくためのプロセスには、ソフトウェア工学における「ユースケース」の考え方を用いることが重要。

手順としては下記を踏むのがベースとなる。

  1. ユースケースを洗い出す
  2. ユースケースの詳細を決める
  3. UXチェックリストを作成する
  4. UXテストを実施する
  5. UX品質の評価を行う
  6. 設計の改善につなげる

UXテストの実施

UXテストでは、ユーザーの感情というつかみところのない曖昧な観点を品質評価の観点に盛り込む必要性があります。 この「感情」という厄介な相手をいかにして合理的な形でテストして評価すべきかということが大きな課題です。

UX品質の評価を行う

ここまでの議論で語ってきましたが、UXは定性的で柔らかいものであるため、つかみどころがありません。よって、UX向上の効果を測定するのは難しい課題です。

とした上で、極力結果を数値化することに努めるのが大事。
例としては想定したユースケースの数や、UXチェックリストの作成/消化件数など。

良かった点

  • UXに関して時代の流れや基本原則的なことの知識がついた
  • 手法に関しても一通り網羅ができ、具体例も一部学べてよかった

惜しかった点

内容で触れられてもいますが、いずれもこの本では網羅できない領域なので他の書籍で具体例などを探すのが良いと思いました。

まとめ

実際に導入するのは難しいなとは思いつつ、中で触れられていたアンチパターンを作ってその点は破らないようにするなど、気軽に導入できる点からはじめるのがよいかなと思いました。

もう少し具体例も欲しいのとやっぱり始めやすい領域はUIなので、その点から深くもっと知れたらいいなと感じています。